皆さんこんばんは、アラサー独女ワサ子です。
先日、名古屋市で開催されていた美術展「〜魅惑の印象派〜コートールド美術館展」に行ってきたのですが、、もうめっっちゃくちゃ感動しちゃいまして!

今まで殆ど「印象派」について、なんの知識もなかった私がこんなに感動したんだから、読者の皆様にも印象派についてもっと知って欲しいと思い、、漫画で解説しようと思った次第であります!

それでは、どうぞ!






現代アートに多大なる影響を与えた
「印象派」の魅力に迫る!

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〜完〜











印象派・ポスト印象派の画家たち

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【画像参考:wikipedia クロード・モネ「睡蓮」】

世界中で有名な「ひまわり」の作者ファン・ゴッホ、「睡蓮」の作者クロード・モネ、他にも裸婦画を極めたルノワールに近代絵画の父とも呼ばれるセザンヌ、印象派・ポスト印象派の彼らの絵画を考察すると本当に面白くて興味深い。

絵はまるでその描いた本人を映す鏡とも言え、それぞれの人物像はとても特徴的で、尚且つ魅力的だ。


印象派とは?

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【画像参考:wikipedia】カミーユ・ピサロ作「ヴォワザンソンの入り口」

印象派とは、19世紀後半のフランスで起きた芸術運動です。
自由な技法と、自由なテーマで「光」の表現を追求していく印象派は、保守的な批評家たちからの反感と注目を繰り返しながら、徐々に人々を魅了していくのです。

それまでの美術界は、キリスト教や神話に基づいた宗教画や歴史画、そして貴族の肖像画などの絵画が主流であり、そういった絵画こそが高貴なテーマでした。

当時の美術界は、フランス王立美術アカデミーが権力を握っており、アカデミーが支配するサロン(公的展覧会)では、印象派の絵画出展が認められる事はとても難しかったのです。
印象派の様に、その時代のフランスの風景画や自然、人々をテーマに描く世俗的な絵画は絵画ではないと、認められなかったのです。

しかし、そんな逆境こそ彼らの反骨精神に火をつけたのです。1874年に彼らみずから第1回印象派展を開催し、この印象派展は1886年の第8回まで開催されました。


クロード・モネ (1840-1926年)


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【画像参考:wikipedia クロード・モネ「印象、日の出」】

第1回印象派展の作品「印象・日の出」が、保守的な批評家から酷評をされてしまったモネ。彼は印象派の特徴でもある「戸外制作」に強いこだわりを持っていました。

元々、それまでアトリエでの制作が主流だった理由には、それまで絵画制作には粉末の顔料に油や水を溶かしてから色を塗ると言う方法しかなかったため制作には手間がかかりました。

ところが産業革命による様々な技術進歩によりチューブ絵具が普及し、屋外での絵画制作がより身近になったのです。


光による色の変化を追究した「連作」

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画像参考:commons「積みわら、夏の終わり、朝の光」
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画像参考:wikipedia 「積みわら、日没」

同じ題材をそれぞれ違う時間帯に何枚も制作する事で「光による時間の流れ」を表現したモネの「連作」。モネが得意とする大胆な筆のタッチにより、太陽の光によって刻々と変化する積みわらの情景がリアルに表現されています。

因みに、モネは1890年に連作である「積みわら」をなんと25点も制作しているのだが、去年2019年に行われたニューヨークでの絵画オークションで、その中の一点が印象派絵画史上で最高額の1億1070万ドル(約122億円)で落札されました。

モネは「積みわら」の他にも、「ポプラ並木」や「ルーアーン大聖堂」と言った様々な「連作」を発表している。


水面の光を追究した「睡蓮」

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【画像参考:wikipedia クロード・モネ「睡蓮」】

類稀なる探究心で「光による時間の一瞬」の表現を身に付けたモネは、晩年は「光による水面の一瞬」を表現する事に取り憑かれて行く。

モネは元々借家だったジヴェルニーにある家を買い取り、池を造った。

そして、後にモネの最大最高傑作とも言える連作「睡蓮」を制作していった。

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【画像参考:artreseachジヴェルニーの池の前に立つモネ


女性の肌と曲線美に魅了された画家
ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841-1919年)

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ルノワール作品「春・シャトー」

印象派の中でも私の1番のお気に入りがルノワールだ。美術館で彼の作品「春・シャトー」を生で見た時、「わぁ、、」と思わず小さな声がもれた。

「筆触分割」の技法ならではのラフな筆使いに、尚且つ画枠全体をほぼ「緑一色」で統一し、自然の中の光と影を見事に表現しているこの作品は、彼の画家としての技術面の高さが伺える。この作品の前に立つと、まるで絵画の中の春の風を肌で感じた様な感覚になる。

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ルノワール作品「桟敷席」

モネが「水面と光」を追究した画家だとすれば、ルノワールは「人肌と光」の表現を追求した画家だ。ルノワールが描く人の肌質感や柔らかみは、印象派の中でもずば抜けて魅力だ。


現実的で戦略家な画家でもあった。

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【参考:wikipedia】「グリフォン犬と浴女」

印象派の大胆でラフなタッチが特徴でもある「筆触分割」とうい技法は、それまでの「筆の跡は残さず滑らかに描くのが良い。」という考えの美術界にはなかなか受け入れられず、サロン(公的展覧会)に出展する事が難しかった。

当時はサロンでの出展が認められない限り、画家として成功するのは極めて困難であった。

そこでルノワールがサロン用に制作した作品が、この「グリフォン犬と浴女」である。普段の筆触分割の技法を使わず、とても写実的に描いている。この作品は見事サロンに入選し、高い評価を得た。

彼は常に絵画の新しい可能性に挑戦する一方で、画家としてサロンに認められる道をも模索した、とても戦略的な一面も持っていたのだ。

ただ、このサロン出展がきっかけで、毒舌印象派画家のエドガー・ドガに激しく非難され、彼らは仲違いしている。


晩年は裸婦像の魅力に取り憑かれる。

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【参考:FC2】ルノワール作品「浴女たち」

晩年のルノワールは、裸婦画を追求し、描き続けている。「若い娘の、バラ色で、血が健康に通っているのが見えるような肌。なにより好きなのは、晴れやかさだ」彼は晩年、〝肌〟の魅力について語っていたと言う。

オレンジ味をおびた色調の彼の裸婦画は、今なお絵画界の唯一無二の存在だと言える。


美しい程に悲劇的なポスト印象派画家
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890年)

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【参考:ネット美術】ファン・ゴッホ作品「灰色のフェルト棒の自画像」

印象派・ポスト印象派画家の中でも世界中で1番知られていると言ってもいい、今もなお世界中にファンが絶えないファン・ゴッホ。

彼の悲劇的とも言える人生こそ、彼の作品を見る上でとても興味深い。

画家ゴーギャンとの口論の末、自分の耳を切り、馴染みの娼婦に自分の耳を届けたと言う話は割と有名だ。彼は人とのコミュニケーションが苦手で、とても繊細で、それでいてとても純粋だった。


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【参考:wikipedia】ファン・ゴッホ「カラスの群れ飛ぶ麦畑」

「カラスの群れ飛ぶ麦畑」は、彼がピストル自殺で自ら命をたつ数週間前に描かれた作品。

闇夜の中で黄金に輝く麦畑に、闇空を飛ぶ無数のカラス。彼が最後に見たのは「希望」か、それとも「絶望」か。

彼の全ての作品は、見る側に彼の人柄や人生そのものを考えさせられる程、圧倒的だ。



〜魅惑の印象派〜
コートールド美術館展

全ての印象派画家たちを紹介していたら、とんでもない長文のブログになってしまいそうなので、
先日行かせて頂いた「〜魅惑の印象派〜コートールド美術館展」で、私が心に残っている作品たちを最後にご紹介させて下さい。


・エドゥアール・マネ
「フォリー・ベルジェールのバー」
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・ジョルジュ・スーラ「クールブヴォラの橋」
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・ポール・セザンヌ「カード遊びをする人々」
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・ポール・ゴーギャン「ネヴァーモア」
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愛知での展覧会は3月15日まで開催しているらしいので、時間のある方はぜひぜひ足を運んでみて下さい。

コートールド美術館展〜魅惑の印象派〜 
愛知県美術館(愛知芸術文化センター 10階)
2020.1.3.〜2020.3.15.
《巡回情報》
神戸展:神戸市立博物館
2020.3.28〜2020.6.21.(予定)



★オススメ本★
 「印象派。絵画を変えた革命家たち」

私の愛読書PenBooksさん。これ一冊で今までほぼ無知識だった印象派について楽しみながら学ぶ事が出来ました。絵画についての事だけでなく、この時代を生き、時代に翻弄されながらも奮闘した画家たちの人間模様も描かれていてとても面白かったです。



★オススメ本★
 「チャートで読み解く美術史入門」

著者の方の膨大な美術知識をビギナーにも分かりやすくまとめてあり、挿絵も多くて画家たちのライフチャートなんかも載せてあって、めちゃくちゃ面白かったです!

チャートで読み解く美術史入門
ナカムラクニオ
玄光社
2019-08-28









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